月仙女のもう一つの顔~月にいるのは・その3
2010-09-28(Tue)
(この記事は『月のウサギは何見てはねる?~月にいるのは』と『女は愛より何を取る?~月にいるのは・その2』の続きです)
今回ようやくキャプチャーの方法がわかり、前回の記事にも画像を入れました。
良ければそちらも、もう一度見てくださいね♪
こんばんは。
前回の記事アップから、早くも3日が経ちました。
それまでの間、私の地域は雨続きで、肌寒い日が続きましたが、
今日の昼間は青空が見えたそうです。
いったん雲に閉ざされながらも
夜になって東の空に見える月は
もう、満月とはいえない姿です。
たかが3日、されど3日のうちに
右上部分が欠けた姿を見せる月。
これから当分は、新月に向かって細くなる訳ですね。
ああ、秋の陽はつるべ落としの上に
夜道もだんだん暗くなる…
そんな話は置いといて
先だってからご紹介している、月の仙女・嫦娥(じょうが)の話の続きです。
嫦娥は夫であるゲイから不老不死の妙薬を盗んで、
月へと昇天し、そこで仙女または女神となった(あるいは女神に戻った)訳ですが、
地上に残されたゲイは、その後人間たちに弓を教えていたものの、
元・弟子の矢に射られて亡くなってしまいます。
この二人のたどった運命の差は、あんまりだと思うのは、
私だけでしょうか。
また、いくら何でも妙薬を盗み出して、一人で天界である月に行ってしまうのは
人として、また妻として一体、どうよ?
と中国の人々も考えたのか
こんなバージョンもあります。
つまり、
嫦娥は悪人に襲われそうになって、その魔手から身を守るために薬を飲んだ。
または、夫の裏切り者の弟子に薬を差し出せと脅されて、
とっさに自分で飲んでしまった。
すると、その身は軽くなって月に昇天してしまった、と。
ですので、このバージョンでは、心ならずも夫と離れてしまった訳です。
そこでゲイは嫦娥に会いたくて月を追いますが、
月は一向に近くならず、一歩近づけば、一歩遠ざかるばかり。
そこでゲイは、月に向かって妻の好物の果物をお供えした、
これが『仲秋の節句』の始まりです
…という言い伝えが残っています。
「悪人に襲われそうになって、その魔手から身を守るために薬を飲んだ」
このバージョンでは、夫を捨てて一人昇天するのとは逆に
夫に対して貞節を貫く姿が伺えますね。
私が思うには
時代と共に(多分、儒教の価値観に従って)
薬を飲んだ理由が変化していったのでしょうね。
今の中国でも、貞淑な女性としての嫦娥の方が
広く受け止められているようです。
また、嫦娥や玉兎はまた、月そのものの代名詞にもなっているそうです。

☆彡☆彡☆彡
ところで、今までのこのお話ですが
月へ昇天する美女といい、不老不死の妙薬といい
日本人ならば、多分多くの人が
かぐや姫
を連想することと思います。
実際
かぐや姫の話の元となっているのが
この伝承だと言われているのだそうです。
両者に登場する不老不死の妙薬ですが、これは
洋の東西を問わず、
古来から、人間が追い求めてきた幻の存在。
西洋の錬金術では霊薬・エリクシールと呼ばれ、
東洋では、仙術で練り出そうとして
あるいは東の幻の島・蓬莱に部下を派遣して。
この、不老不死の薬ですが
貴方は、手に入れたいと思いますか?
手塚先生の「火の鳥」の登場人物たちのように…
月と嫦娥については、もうひとつお話したいことがありますが、
今回はこの辺で失礼します。
それでは、下弦の月の下、おやすみなさい。
良い夢を
P.S.
月へと昇る嫦娥の姿は、「嫦娥奔月」というデーマで色々な絵画の題材になっています。

↑(構図がほとんど同じですね)
また、中国発の月の周りを周回する人工衛星は「嫦娥1号」、中国の国家的プロジェクトであり人間が月に長期滞在できることを目的とした月探査計画は「嫦娥計画(じょうがけいかく)」 (中国語では嫦娥工程、英語:Chang'e program)と名付けられています。
最後までお読みいただき、有難うございます。
前回の記事にも画像を入れました。
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関連記事 『満月の夜に寄せて』
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それまでの間、私の地域は雨続きで、肌寒い日が続きましたが、
今日の昼間は青空が見えたそうです。
いったん雲に閉ざされながらも
夜になって東の空に見える月は
もう、満月とはいえない姿です。
たかが3日、されど3日のうちに
右上部分が欠けた姿を見せる月。
これから当分は、新月に向かって細くなる訳ですね。
ああ、秋の陽はつるべ落としの上に
夜道もだんだん暗くなる…
そんな話は置いといて
先だってからご紹介している、月の仙女・嫦娥(じょうが)の話の続きです。
嫦娥は夫であるゲイから不老不死の妙薬を盗んで、
月へと昇天し、そこで仙女または女神となった(あるいは女神に戻った)訳ですが、
地上に残されたゲイは、その後人間たちに弓を教えていたものの、
元・弟子の矢に射られて亡くなってしまいます。
この二人のたどった運命の差は、あんまりだと思うのは、
私だけでしょうか。
また、いくら何でも妙薬を盗み出して、一人で天界である月に行ってしまうのは
人として、また妻として一体、どうよ?
と中国の人々も考えたのか
こんなバージョンもあります。
つまり、
嫦娥は悪人に襲われそうになって、その魔手から身を守るために薬を飲んだ。
または、夫の裏切り者の弟子に薬を差し出せと脅されて、
とっさに自分で飲んでしまった。
すると、その身は軽くなって月に昇天してしまった、と。
ですので、このバージョンでは、心ならずも夫と離れてしまった訳です。
そこでゲイは嫦娥に会いたくて月を追いますが、
月は一向に近くならず、一歩近づけば、一歩遠ざかるばかり。
そこでゲイは、月に向かって妻の好物の果物をお供えした、
これが『仲秋の節句』の始まりです
…という言い伝えが残っています。
「悪人に襲われそうになって、その魔手から身を守るために薬を飲んだ」
このバージョンでは、夫を捨てて一人昇天するのとは逆に
夫に対して貞節を貫く姿が伺えますね。
私が思うには
時代と共に(多分、儒教の価値観に従って)
薬を飲んだ理由が変化していったのでしょうね。
今の中国でも、貞淑な女性としての嫦娥の方が
広く受け止められているようです。
また、嫦娥や玉兎はまた、月そのものの代名詞にもなっているそうです。

☆彡☆彡☆彡
ところで、今までのこのお話ですが
月へ昇天する美女といい、不老不死の妙薬といい
日本人ならば、多分多くの人が
かぐや姫
を連想することと思います。
実際
かぐや姫の話の元となっているのが
この伝承だと言われているのだそうです。
両者に登場する不老不死の妙薬ですが、これは
洋の東西を問わず、
古来から、人間が追い求めてきた幻の存在。
西洋の錬金術では霊薬・エリクシールと呼ばれ、
東洋では、仙術で練り出そうとして
あるいは東の幻の島・蓬莱に部下を派遣して。
この、不老不死の薬ですが
貴方は、手に入れたいと思いますか?
手塚先生の「火の鳥」の登場人物たちのように…
月と嫦娥については、もうひとつお話したいことがありますが、
今回はこの辺で失礼します。
それでは、下弦の月の下、おやすみなさい。
良い夢を

P.S.
月へと昇る嫦娥の姿は、「嫦娥奔月」というデーマで色々な絵画の題材になっています。


↑(構図がほとんど同じですね)
また、中国発の月の周りを周回する人工衛星は「嫦娥1号」、中国の国家的プロジェクトであり人間が月に長期滞在できることを目的とした月探査計画は「嫦娥計画(じょうがけいかく)」 (中国語では嫦娥工程、英語:Chang'e program)と名付けられています。
最後までお読みいただき、有難うございます。

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